缶詰ドッグフードの選び方とメリット・デメリット

愛犬がドライフードを食べられなくなったときや、食欲が低下しているときなどに使うことの多い缶詰のウェットフード。価格はかなり高くなってしまいますが、これしか食べられないとなると飼い主さんとしては缶詰のドッグフードを選ぶしかありませんよね。

ところが、この缶詰ドッグフードに関してはインターネット上にあまり情報がありません。このため、飼い主さんも困っている人が多いと思いますので、ここでは缶詰のドッグフードについて、そのメリットとデメリットをご紹介しつつ、安全にこだわった選び方について説明していきます。

缶詰ドッグフードのメリット

それではまず、缶詰ドッグフードのメリットについてご紹介します。

メリット

  • ワンちゃんの食いつきがいい
  • 柔らかくて食べやすい
  • 水分をしっかり摂れる
  • 開封しなければ長持ちする

この4点が缶詰のドッグフードを与えるメリットになります。それぞれどのような利点があるのか詳しく見ていきましょう。

ワンちゃんの食いつきがいい

缶詰のドッグフードは素材がそのまま入っているためドライフードよりも匂いが強く、ほとんどの犬が喜んで食べてくれます。犬は食べ物の味よりも匂いで好き嫌いを判断しますので、缶詰を開けた瞬間に匂いが伝わってくる缶詰は、ワンちゃんにとって素晴らしいご馳走になります。

病気や夏バテなどで食欲が落ちてしまったワンちゃんでも、しっかりと食べてくれますので体力の回復が早くなります。ただし、嗜好性が高すぎるため、缶詰のドッグフードを与えると、ドライフードを嫌がって食べなくなることもあります。

柔らかくて食べやすい

ドライフードのカリカリした感じが好きなワンちゃんもいますが、シニア犬などは水分が少ないもの合って食べにくく、残してしまうことがあります。ところが缶詰のドッグフードは柔らかくなるまで調理されていますので、歯の弱いシニア犬や子犬でもしっかりと完食してくれます。

水分をしっかり摂れる

あまり水を飲んでくれないワンちゃんもいて、夏場などは熱中症にならないか心配になっている飼い主さんもいるかと思います。きちんと水分を摂らないと、尿結石などの病気にかかる可能性がありますので、なんとかして水を飲ませたいですよね。

そういうときに缶詰のドッグフードを与えると、水分不足を補うことができます。1日に必要な水分をすべて缶詰から摂ることはできませんが、それでもドライフードだけを与えるよりは水分を摂取できますので、病気のリスクを下げることができます。

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開封しなければ長持ちする

私たちの保存食にも使われていることからも分かりますように、缶詰はかなり長持ちします。商品によっては賞味期限が3年近くありますので、安く売られているときにまとめ買いしておくことも可能です。長期保存ができますので、防災グッズと一緒に保管しておくのにも便利です。

缶詰ドッグフードのデメリット

メリットの多い缶詰ドッグフードですが、一方で下記のようなデメリットもあります。

デメリット

  • 価格が高い
  • 歯に詰まりやすく歯石がたまりやすい
  • 開封後の長期保存ができない
  • 栄養バランスが悪い
  • カロリーが高く太りやすい

こちらのデメリットについても、それぞれ詳しくご紹介します。

価格が高い

商品によっても価格が違いますので一概には言えませんが、缶詰ドッグフードはドライフードと比べると1.5倍くらいの値段設定になっています。高級な缶詰になると1食分が500円以上になるものもあり、飼い主よりも食費がかかることもあります。

ワンちゃんが喜んで食べてくれるので、すべて缶詰にしてあげたいという飼い主さんもいますが、食費を考えると毎食というのは無理があり、ドライフードと組み合わせて使っているケースがほとんどです。

歯に詰まりやすく歯石がたまりやすい

ドライフードは乾燥していますので、食べた後に水を飲めば口の中に残ることはありません。ところが缶詰のドッグフードは、柔らかく歯に詰まりやすいというデメリットがあります。歯に詰まってしまった状態をそのまま放置しておくと、人間と同じように虫歯や歯周病になってしまいます。

缶詰ドッグフードによる虫歯や歯周病を防ぐには、毎食後にきちんと歯磨きをする必要があります。犬は人間よりも4倍早く歯垢が歯石に変わります。お手入れをサボるとあっという間に虫歯だらけになってしまいますので、注意が必要です。

開封後の長期保存ができない

ドライフードの場合は、開封してからも密閉容器に入れておけばかなり長く保存できます。ところが缶詰ドッグフードの場合は、私たち人間の食べ物と同じように、すぐに劣化してしまいます。開封したらその日のうちに与えるか、長くても翌日までに与えなくてはいけません。

栄養バランスが悪い

缶詰のドッグフードにも総合栄養食の表記がされているものもありますが、ほとんどの商品が栄養バランスまでは考えられていません。たんぱく質はドライフードよりも多く含んでいますが、その他の栄養成分がどうしても不足しがちです。

このため、缶詰のドッグフードはそれを単体で使うというよりは、総合栄養食のドライフードにトッピングする形での利用することになります。

カロリーオーバーになりやすく太りやすい

缶詰のドッグフードに切り替えたら、愛犬が肥満気味になってしまったという話をよく聞きます。きちんとカロリー計算して与えれば、そのようなことにはなりませんが、その日のうちに使い切らなくてはと思うと、捨てるのももったいなくてついつい多めに与えしまい、カロリーオーバーになって太ってしまいます。

栄養バランスが悪いのと合わせて考えると、ペット栄養学に詳しい人でないと使いこなすのが難しいというのも缶詰ドッグフードの特徴でもあります。正しく与えるための知識について勉強しなくてはいけないことが、飼い主さんの負担になることもあります。

失敗しない缶詰ドッグフードの選び方

缶詰には食いつきが良くなるなどのメリットがあるものの、あまり嬉しくないデメリットもいくつかありますよね。何も考えずに缶詰を選んでいたら、栄養が偏ってしまったなんてこともありえます。ここでは、缶詰ドッグフード選びで失敗しないためのポイントをご紹介します。

無添加無着色であること

缶詰のドッグフードは、長期間保存をするために安定剤や発色剤などを添加していることがあります。スーパーやホームセンターなどで格安販売されているドッグフードがこれに該当し、このような商品ではワンちゃんの健康を守ることはできません。

添加物が必ずしも危険というわけではありませんが、多くの添加物は体内に老廃物として貯まり、皮膚トラブルなどの病気を引き起こしてしまいます。価格は高くなってしまいますが、安全な缶詰ドッグフードを選びたいのであれば、無添加無着色にこだわった商品を選びましょう。

安心できる原材料を使っていること

缶詰ドッグフードを購入するときにチェックしてもらいたいのが、パッケージに記載されている原材料です。添加物や着色料の有無をチェックするとともに、主原材料に何が使われているのかを確認してください。そこに「肉類」と書かれているものは避けましょう。

肉類と書かれているとお肉をイメージしますが、肉類は肉だけでなく内臓や骨などの副産物も含まれていることを示します。基本的には人間が口にすることのない死んだ動物や病気の動物の肉も含まれている可能性があります。

いくらワンちゃんが本来は肉食だからといって、肉なら何でも食べさせていいというわけではありません。原材料の安全を考えるのであれば「鶏肉・牛肉・豚肉」のように何の肉なのかが分かる缶詰を選んでください。

できればグレインフリーの商品が理想

犬に穀物を与えていいかどうかというのは賛否が分かれますが、小麦やトウモロコシなどは本来犬に与える必要のない原材料です。犬の内臓は穀物を消化するのに適していませんので、これらによって消化不良を引き起こす可能性があります。

このため、プレミアムドッグフードと呼ばれる安全性の高いドッグフードは、穀物を使わないグレインフリーが主流になりつつあります。穀物を使わないと原価が高くなるため、どうしても価格が高くなりますが、皮膚トラブルなどで悩んでいる場合は、グレインフリーの商品を選ぶようにしましょう。

缶詰だけしか与えない場合は総合栄養食を選ぶ

缶詰ドッグフードには総合栄養食と補助食品の2種類があります。前者はドライフードのように、それだけで栄養バランスがとれている製品で、後者は栄養が偏っているために、他のドライフードなどと組み合わせて使う必要があります。

「缶詰だとしっかり食べるから」という理由だけで缶詰を選ぶと、栄養の足りていない補助食品を与え続けてしまう可能性があります。もしドライフードは使わずに、缶詰ドッグフードだけを与えるのであれば、総合栄養食に分類されているドッグフードを選びましょう。

ちなみに、缶詰の場合はそのほとんどが水分ですので、見かけ上のタンパク質や脂質などの比率が低く表記されています。これだけ見て「AAFCOの基準を満たしていない」と紹介されることがありますが、水分を抜いて考えれば問題ないケースがほとんどですので、ドライフードと缶詰ドッグフードの基準を混同しないように気をつけてください。

AAFCOは以下の記事で解説しています
ドッグフード品質基準AAFCOって一体なに?安全安心の証拠?

良質な原材料で作られた缶詰ドッグフードを与えよう

缶詰ドッグフードは価格が高いのもあり、日本では補助的な役割として使われることが多く、メインのドッグフードとしての情報が不足しています。このため、知らず知らずのうちに低品質の缶詰ドッグフードを与えていたというケースが目立ちます。

基本的な考え方は缶詰でもドライフードでも変わりません。購入時には必ずパッケージに記載されている原材料をチェックして、良質の原材料を使い、添加物や着色料が入っていない缶詰を選ぶようにしましょう。

そのようなドッグフードはかなり金額が高くなりますが、それが高いのではなく他のドッグフードが安すぎるのだと考えてください。それを踏まえたうえで、缶詰ドッグフードは価格で選ぶのではなく、安全であることを最優先して選ぶようにしてください。