ドッグフードの原材料『チキンミール』とは?犬に危険の意味

ドッグフードを選ぶときには、きちんと原材料をチェックしている賢い飼い主さんが増えていますが、原材料を見ても、それがどのようなものなのか分かりづらいものもあります。その代表的な原材料がチキンミールで、飼い主さんを迷わせる悩ましい食材のひとつでもあります。

インターネットでチキンミールについて調べてみると、「危険」「食べさせてはいけない」といったネガティブな言葉が並んでいますが、市販されているドッグフードの多くにはチキンミールが使われています。そんなに危険なものなら使用が禁止されそうなものなのに、なぜチキンミールは使われているのでしょう?

ここではそんな、知っているようでよく分からない原材料のひとつ、チキンミールに焦点を当てて、その安全性について説明していきます。

チキンミールってどんな原材料?鶏肉とはどう違うの?

チキンミールは粉状に加工されたチキンのことを言います。乾燥させた鶏肉を粉末状にすることで、腐ったり傷んだりしなくなるため、長期保存ができるというメリットがあります。
さらには鶏1羽を輸送するよりも、とてもコンパクトで使い勝手がいいということで、食品業界で重宝されている食材でもあります。

私たちがパンを焼くのに小麦を買ってくるよりも、小麦粉を買ってきたほうが効率的ですよね。チキンミールも同じことで、水分の抜けた鶏肉ということで、栄養成分はまったく変わりませんし、使い勝手がとてもいい状態にあるわけです。

その結果、ドッグフードの製造にかかるコストを下げることがで、店頭に並んでいるドッグフードを安く売ることができます。チキンミールから焼き鳥は作れませんが、ドッグフードを作るときにはとても効率がいいわけです。

これだけなら、チキンミールはまったく問題のない原材料で、むしろ積極的に使ってもらい、ドッグフードを安く提供してもらいたいですよね。でも、世の中にそんなにうまい話はありません。本物のチキンミールはとても魅力的ですが、粗悪なチキンミールが多く出回っているのが現実です。

その粗悪なチキンミールが、ワンちゃんに健康被害を与えてしまうため、「犬には危険」と言われているわけです。粗悪なチキンミールの何が危険なのか、その理由を次章で詳しく説明していきます。

なぜチキンミールが危険だと言われているのか

鶏肉を粉末状にしたものがチキンミールとするなら、安全面でも問題ありません。でもインターネット上には危険だという声がたくさんあります。なぜ、チキンミールが危険なのか、その理由について説明します。

どんな状態の鶏肉を使っているのか分からない

家族に食べさせる料理の鶏肉、広々とした農場で育てられた鶏とブロイラーの鶏、財布の中身に余裕があるならどちらを選びますか?ほとんどの人が前者を選ぶのではないでしょうか。自然に近い環境で育てられた鶏は安全で美味しそうですし、ブロイラーは機械的に作られてるようで不安ですよね。

実際にブロイラーの鶏肉は、体重が増えやすい餌を与えて育てて、しっかり成長する前(飼育期間約48日)に加工されてしまいますので、味がほとんどしません。チキンミールはそのようなブロイラーの鶏肉を使って作られています。

ただし、これだけではまだ問題はそれほど大きくありません。ブロイラーの鶏肉は人間も口にしますので、むしろ安全な部類に入ります。問題は、ドッグフードのチキンミールには、病気にかかった鶏や死んでしまった鶏などが使われている可能性があるということです。

そのような鶏は人間の食肉としては売れませんので、チキンミールに加工して販売されることがあります。さらには、海外の鶏肉の場合、病気を防ぐための抗生物質や、成長のための薬を使っており、体内にそのような薬物が残った状態でチキンミールに加工されることもあります。

ちなみに成長のための薬を使って無理やり体重を増やすため、心不全で死んでしまう鶏もたくさんいます。もちろん、それらはチキンミールの材料になります。このように、どのような状態の鶏肉が使われているのか分からないため、「危険」な原材料だと言われているわけです。

肉副産物だけで作られている可能性がある

チキンミールは基本的に鶏を1羽そのまま加工して作ります。羽もくちばしも骨も内臓もそのままの状態で粉末状に加工します。内臓や骨にも栄養成分はありますし、自然界で肉食動物は鶏を残さず食べますので、これはこれで自然の姿に近いともいえます。

ただ、鶏から人間が口にする肉の部位を取り除き、残ったものだけを粉末状にしても、同じチキンミールとして売ることができます。実際に粗悪なチキンミールは、そのような残りカスだけで作られていますので、タンパク質などの栄養成分が不足します。

鶏肉を与えているつもりが、食べる部分はほとんど使われていないという実態があり、さらには体内に残っている糞なども一緒に加工していることも珍しくありません。こうなってくると、何を与えているのか分かりませんよね。

ひどい話ですが、格安のドッグフードはそのような背景があって成立しています。すべてのチキンミールが粗悪なわけではありませんが、そのようなとても鶏肉とは言えないような状態の原材料が使われている可能性があるということを頭に入れておく必要があります。

良質なチキンミールと粗悪なチキンミールを見極める方法

ここまでの説明を読むと、チキンミールがいかに危険であるかが分かり、原材料にチキンミールと書かれているドッグフードは絶対に買わないと決めた人もいるかもしれません。ただ、チキンミールのすべてが悪いわけではありません。

世の中には原材料にこだわった良質のチキンミールもあります。そのようなチキンミールはもちろん使っていても問題ありません。ただ、それらを見極めるのはちょっとしたコツがあります。ここでは、良質なチキンミールと粗悪なチキンミールを見極める方法をご紹介します。

ヒューマングレードにこだわったドッグフードならOK

良質のチキンミールを使っているドッグフードの代表的な商品が、プレミアムドッグフードと呼ばれる、ヒューマングレードの素材にこだわって作られたドッグフードです。人間が口にするものと同等品で作られていますので、死んだ鶏の肉などは使われることがありません。

ただ、鶏肉だけを使ったのではカルシウムなどの栄養成分として不足するために、栄養価の高いチキンミールを使っているわけです。プレミアムドッグフードは販売価格も高いため、原材料にもお金をかけることができるため、わざわざ安全性の低い粗悪なチキンミールを使う必要もありません。

他にも「副産物は使用していません」や「健康な鶏を使用しています」というような、食材の安全性を明記しているドッグフードのチキンミールも、良質なものが多く安心して与えることができます。

植物性タンパク質や人工添加物が多いドッグフードには注意

お肉として食べるところがほとんど残っていない部位で作られたチキンミールは、どうしてもタンパク質が不足するため、それを補うために何らかの方法でタンパク質を加える必要があります。このとき肉を使うとコストアップになるため、大豆や小麦などの安い材料を使うことになります。

また、死んだ鶏の肉などは、劣化が早く見た目も臭いも悪くなりますので、人工添加物を大量に使います。新鮮で安全な鶏肉を使っていれば、それらはほとんど必要ありません。人工添加物が必要なのは粗悪なチキンミールを使っている証拠でもあります。

人工添加物はそれそのものが安全性に不安があります。危険なチキンミールに危険な添加物というのでは、ワンちゃんの体にいいわけがありません。植物性タンパク質や人工添加物が多く含まれているチキンミール使用のドッグフードは避けるようにしましょう。

チキンミールではなく鶏肉と記載されているドッグフードを選ぶ

チキンミールには正確な定義がなく、良質なものと粗悪なものが乱立している状態にあります。本当に良質かどうかを見抜くのは簡単ではなく、実際のところは製造しているメーカーの人でないと分からないというのが現実です。

そういう意味で、できればチキンミールと記載されているドッグフードは避けて、原材料に鶏肉と書かれているドッグフードを選びましょう。第一原料が鶏肉になっているものを選べば、まず間違いありません。ただ、そのようなドッグフードは価格が高く、なかなか手を出せないという人もいるかもしれません。

そういう場合はチキンミールが使われているドッグフードを選んでもいいのですが、あくまでも栄養を付加するために使われているというのが重要です。このため、プレミアムドッグフードほど高額でなくても、それなりの値段になってしまいますが、安全な食べ物を選ぶというのはそういうことです。

1kgあたりの金額が500円以下というようなドッグフードもありますが、そのようなドッグフードに使われているチキンミールは、かなりの確率で粗悪品です。人工添加物も多く含まれていますので、愛犬の健康を思うなら手を出さないようにしてください。