犬種別ドッグフードって必要?全犬種用と何が違うの?

ペットショップやスーパーなどには「チワワ用」「プードル用」といった犬種別にラインナップされたドッグフードが陳列されています。一方で「全犬種用」と記載されたドッグフードもあって、犬種別の商品とどちらを選ぶべきなのか悩んでいる飼い主さんも多いかと思います。

全犬種用のドッグフードがあるなら犬種別ドッグフードは不要な気がしますが、それでもわざわざ種類分けしているなら、そこに意味があるような気もします。ここではそんな犬種別ドッグフードの特徴をご紹介し、本当に意味があるのかどうかについて説明します。

犬種別ドッグフードは必要なのか?

犬種別のドッグフードでまず思い浮かぶのが、ロイヤルカナンではないでしょうか。ロイヤルカナンは日本で飼われている代表的な14犬種に合わせたドッグフードを作っています。これは、犬種ごとに必要となる栄養バランスが違い、粒の大きさや硬さも変えるべきという考え方によるものです。

例えばチワワの場合、顎が小さいため特に小さめの粒サイズにして、腸内環境が悪化しやすいという特徴があるため、消化性の高い超高消化性タンパクや食物繊維を配合しています。他のメーカーでもこのように、犬種の特徴に合わせて食材の配合を調整して販売しています。

そう聞くと犬種別ドッグフードのほうがワンちゃんのことを考えて作られているように思いますが、実際のところ全犬種用ドッグフードに、何か問題があるわけではありません。全犬種用であっても総合栄養食のドッグフードなら十分な栄養を摂れますので、わざわざ犬種別に分ける必要性はありません。

もちろん犬種別ドッグフードは粒のサイズや硬さも考慮されていますので、まったく意味がないわけではありません。でも、犬種に合わせた原材料の配合という部分では、それほど大きな意味はありません。

犬種別のドッグフードは、「犬種ごとに最適化されているから」という理由だけで選ぶ必要はありません。最適化以外に付加価値があり、総合的に判断して愛犬の体にいいものであれば選ぶくらいのものだと考えてください。

なぜ犬種別のドッグフードがあるの?

犬種別のドッグフードをあえて選ぶ必要はないとお伝えしましたが、それでもやはりロイヤルカナンのような大手が犬種で分類しているとなると、その存在が気になりますよね。実はその「気になる」という点が犬種別のドッグフードが存在する理由のひとつになっています。

ドッグフードメーカーはいくつもあり、最近では海外からの輸入品も簡単に手に入るようになりました。このため何か特徴のあるドッグフードでもない限り、なかなか飼い主さんに選んでもらえなくなっています。

そこでメーカーは安さを追求したドッグフードを作ったり、厳選素材を使ったドッグフードを作ったりと様々な工夫を行っています。その工夫のひとつが犬種別のドッグフードというわけです。

チワワの飼い主さんなら「チワワの健康を考えて作りました」と宣伝されると、それだけで購入時の候補になりますよね。それらしく栄養成分を調整しておくだけで魅力的な製品に見えますので、ドッグフードが売れやすくなるというわけです。

犬種別のドッグフードは犬のことを考えて作られたわけではなく、ドッグフードを売りたいメーカー側の思惑によって存在しているに過ぎません。もっともそれもメーカーの営業努力の部分ではありますから、頭ごなしに批判することでもありません。

問題なのは犬種別ドッグフードが存在することではなく、品質の悪い犬種別ドッグフードが多く存在するということです。この点については次章で詳しく説明します。

犬種別であることよりも良質なドッグフードであることが重要

ある犬種別ドッグフードの原材料をチェックすると「とうもろこし、家禽ミート、植物性分離タンパク、動物性脂肪、米、……、ソルビン酸カリウム、BHA」とあります。このドッグフードは、ある犬種の健康な被毛を維持するためにEPAやDHAも配合しています。

ワンちゃんの被毛のコンディションを悪くする原因のひとつが穀物と言われていますが、このドッグフードはあたり前のように穀物を使っています。これでは何のためにEPAやDHAを配合しているのか分かりませんよね。

さらには保存料としてソルビン酸カリウムが使われ、酸化防止剤としてBHAを添加しています。ソルビン酸カリウムもBHAも少量であれば健康上問題はないとされていますが、危険性があるため、できるだけ摂らないほうがいい添加物でもあります。

このように、犬種別の製品であるという以前に、そもそもドッグフードとしての品質が疑わしい製品がいくつも店頭に並んでいます。ドッグフードを選ぶときには、まず犬種別であるかどうかよりも、その製品が安全であるかということを重視してください。

そのためのチェックポイントが下記の4点になります。

  • 化学添加物や着色料を使っていない
  • ミートミールや肉副産物などを使っていない
  • 安全性が分かる肉を主原材料に使っている
  • 穀物を使っていないグレインフリーである

これらの条件を満たしていない犬種別ドッグフードは病気や健康上の問題を引き起こす可能性があります。それぞれどのようなリスクが潜んでいるのか、簡単に説明しておきます。

化学合成添加物や着色料を使っていない

BHTやBHA、トキシキンといった化学合成添加物、そして着色料の多くは安全性が疑わしいものがドッグフードに使われています。これらは発がん性があるだけでなく、体内に溜まることで被毛や皮膚のトラブルを引き起こす可能性があります。これらの危険な添加物を使っていないドッグフードを選びましょう。

ミートミールや肉副産物などを使っていない

ミートミールや肉副産物はお肉のようであってお肉ではありません。人間用に切り出した肉の残り部分で、内臓や骨なども含まれています。必ずしも危険なものとは言えませんが、少なくとも人間が食べない部位ですので、安全性にまでは考えられていません。このようなよく分からない「肉のようなもの」を使っているドッグフードは避けてください。

安全性が分かる肉を主原材料に使っている

牛肉や鶏肉という記載があっても、その肉がどのような状態の肉なのかまでは分かりません。死んだ動物や病気の動物の肉である可能性もあります。愛犬の健康を守りたいのであれば、安全性の高い肉を使っていることがはっきりとしているドッグフードを選んでください。

穀物を使っていないグレインフリーである

犬種別ドッグフードの多くが、穀物をメインに作られています。穀物を使うとドッグフードをかさ増しできるので、安く製造できるのですが、そもそも犬は穀物をうまく消化できません。ワンちゃんの内臓に負担をかけることになる原材料ですので、愛犬には穀物を使っていないグレインフリーのドッグフードを与えてください。

犬のサイズ別ドッグフードは意識して選ぶ

犬種別のドッグフードにはあまり意味がないとお伝えしましたが、犬のサイズ別に分類されているドッグフードを使うときには注意点があります。それは小型犬用のドッグフードで、この分類がされているドッグフードはカロリーがやや高めに設定されています。

大型犬よりも小型犬のほうが消費するカロリーが多い傾向にあるためで、この小型犬用のドッグフードを大型犬に与えてしまうとカロリーオーバーになってしまう可能性があります。与えてはいけないということはありませんが、カロリー計算が必要になります。

また大型犬用のドッグフードは粒が大きく、あまり噛まずにドッグフードを食べる小型犬の場合には、ノドに詰まらせてしまうこともあります。

犬の大きさに関係なく必要な栄養成分は変わりませんが、このようにカロリーや食べやすさという違いがありますので、ドッグフードがサイズ別に分かれている場合には、愛犬のサイズに合った商品を選びましょう。

ただし、こちらも良質なドッグフードであることが大前提になります。毎日食べさせても健康面で問題のないドッグフードを選び、そのドッグフードにサイズ別の分類が合った場合に、愛犬のサイズに合わせて与えてください。

犬種別のドッグフードを選ぶ必要はない

少し話があちこちに飛んでしまいましたが、結論としては犬種別のドッグフードをあえて選ぶ必要はありません。犬の特徴に合わせて作られてはいるものの、それ以前のドッグフードの質という点で問題があるものが多く、犬種別になっているメリットよりも、安全面でのデメリットのほうが大きいのが現状です。

ドッグフードを選ぶときには、毎日食べても安全であることを再優先に考えましょう。そのためには、原材料をきちんと確認し、不要なものが添加されていない良質なドッグフードを選んでください。犬種別を選ぶかどうかはその次の段階での判断になります。