日本ではドッグフードは食品ではなく雑貨扱い!フード業界に潜む闇とは

ペット先進国のヨーロッパではドッグフードの分類は「食品」です。ところが日本では食品という分類でないということは意外と知られていません。このため、販売されるときも食品コーナーとは一緒にはならず、雑貨として扱われています。

扱いが雑貨になるだけなら問題はないのですが、安全基準なども人間の食べ物とは違い、人間ほどは安全性を重視されていません。どう考えてもドッグフードは食べ物なのに、食品扱いされないのはおかしいですよね。

実はそこに、フード業界の闇が潜んでいます。ここでは日本のドッグフードの立ち位置と、安全性が重視されていない背景について説明します。ショッキングな内容も含まれていますが、愛犬の健康を守るために、きちんと読んでおいてください。

ドッグフードは食品ではなく「モノ」

世の中で売られている商品には、商品分類というものがあります。ジュースは飲料、チーズは牛乳・乳製品などに分類されますが、ドッグフードはどのような分類になっているか知っていますか?実は「肥料・飼料」に分類され、化学肥料や鶏や牛の飼料と同じ扱いになっています。

これらは食品という位置づけではなく、どちらかというと雑貨のようなモノとして扱われます。ドッグフードを販売するのに食品関連営業許可はいりません。ドッグフードを販売するだけなら事前の届け出は一切必要なく、まさにモノを売るのと同じ感覚で扱うことができます。

これにより、ドッグフードはどこでも売れますので、入手性が良くて飼い主さんにしてみればありがたいことですよね。でも、モノとして扱われているため、安全基準や管理体制なども、食品よりは劣ってしまいます。

でも現実にはワンちゃんが口にするわけですから、安全性を考えたら、人間の食べ物と同じだけの安全基準や管理体制が必要になります。ところが大手ドッグフードメーカーでも、食品ではなくモノとして考えていることも多く、安全性が軽視されていることも珍しくありません。

日本のドッグフードの安全性は法律で守られていますが

ドッグフードは私たちが口にする食品ほどには安全性が高くはありませんが、以前のように無法地帯というわけでもありません。平成21年から、ペットフード安全法により国が定めた成分規格や製造方法に合わないドッグフードの製造・輸入・販売は禁止されています。

すべてのドッグフードには「原材料名、賞味期限、製造業者等の名称及び住所、原産国名」などの表示が義務付けられており、輸入業者や製造業者は届け出が必要になっています。このように、ワンちゃんの健康を守るための法律がきちんと用意されています。

ただ、現実問題としては、このペットフード安全法は、あってないような法律になっています。専門家の間では「ザル法」とまでいわれており、そもそもの基準がとても緩く、逃げ道がいくつも用意されているような法律です。

真面目に適用すると、多くのドッグフードメーカーが潰れてしまうため、自主規制とほとんど変わらないような内容になっています。例えば次のような問題が指摘されています。

・人間の食品での使用が制限されている添加物も使える
・日本で最終加工工程をしたら原産国は日本になる
・原材料名の記載順序は特に規定されていない

それぞれの問題について簡単に解説していきます。

人間の食品での使用が制限されている添加物も使える

ドッグフードは食品ではありませんので、添加物の管理はペットフード安全法によって行われています。このペットフード安全法の基準と、私たち人間の食品の安全基準は必ずしも一致するわけではありません。

例えば、酸化防止剤のエトキシキンは、ドッグフードではよく使われていますが、日本では食品添加物として認可されていません。人間には使ってはいけないというものを「問題ない」としているわけですから、この法律がいかに緩いかが分かってもらえるかと思います。

日本で最終加工工程をしたら原産国は日本になる

ドッグフードのパッケージに記載する原産国は、最終的な加工工程を行った国になります。袋詰や切断のようなものは最終加工には含まれませんが、製造の途中までを海外で行ったとしても、そのことを開示する必要はありません。

また、海外から原材料を仕入れていたとしても、どの国から仕入れているのかを記載する必要もありません。農薬を大量に使っていることが知られている中国の野菜であっても、野菜の名前を記載するだけで済んでしまいます。これではとても安全とは言えませんよね。

原材料名の記載順序は特に規定されていない

私たちが手にする食品の場合、パッケージの原材料名の記載順序は使用量の多い順とされていますが、ドッグフードの場合には特に規定はありません。ペットフード公正取引協議会では記載順序が定められていますが、非会員はこの規約・規則を守る必要はありません。

もちろん、ほとんどのメーカーは使用量順に記載してありますが、ペットフード公正取引協議会の非会員ですとそれが本当に正しいのかどうかは、個人的に成分分析でもしないと分かりません。ほんの少しだけ国産和牛を使い、原材料の1番目に「国産和牛」と記載することも可能というわけです。

安全なドッグフードを選ぶためのポイント

日本のドッグフードは、ペットフード安全法によって守られていると信じている飼い主さんもたくさんいるかと思いますが、現実はある程度の抑止力にはなってはいるものの、そもそも法律の基準が緩く、本当に安全だとは言い切れないドッグフードも販売されています。

そのような環境の中、どうやって安全なドッグフードを選べばいいのかについて、見ていきましょう。

主原料に肉や魚を使っている

ドッグフードの主原料に、肉や魚を使っているドッグフードを選びましょう。パッケージに記載されている原材料の1番目に穀物が入っているドッグフードはNGです。犬はそもそも肉食ですので、メインとなる食材は肉や魚などの動物性タンパク質であるべきです。

ペットフード公正取引協議会の非会員のメーカーですと、原材料の順番はあまりあてにはできませんが、少なくとも1番目が穀物になっているドッグフードは避けるべきです。この点は必ず確認するようにしてください。

肉類や◯◯ミール、肉副産物をメインに使っているドッグフードはNG

主原料が穀物になってなくても、「肉類」「◯◯ミール」「肉副産物」などになっているものもNGです。これらは肉のように思えますが、実際には人間が食べるように肉や内臓を取り除いた残りの部分で作られた原材料です。栄養価も低く、死んだ動物の肉なども使われることがあります。

これらの原材料が必ずしも悪いというわけでもありませんが、メインの原材料になっているとするとそれは問題です。主原料としては「鶏肉」や「牛肉」などの、何の肉なのかがはっきりと分かることが重要です。原材料の姿がイメージできないものはできるだけ避けるようにしましょう。

グレインフリーもしくはグルテンフリー

すでに説明しましたように、犬はそもそも肉食です。このため、ドッグフードに穀物を使う必要はありません。食物繊維や炭水化物を摂取できるという面では意味がありますが、現在のプレミアムドッグフードの流れは、穀物を与えないグレインフリーです。

愛犬の健康を考えたときにはやはりグレインフリーがベストです。ただ、グレインフリーのドッグフードは高級で、なおかつ、そこまで神経質になる必要はないという考え方もあります。ただ、小麦のグルテンなどはアレルギーの原因にもなりますので、グレインフリーにしないまでも、少なくともグルテンフリーで、小麦粉を使っていないドッグフードを選びましょう。

人工添加物を使ったドッグフードを選ばない

ドッグフードには人間の食べ物への使用が認可されていない添加物を、あたり前のように使っているのはすでに説明したとおりです。このため、ドッグフードを選ぶときには、人工添加物が含まれているドッグフードを選択する必要があります。

・エトキシキン
・BHA
・BHT
・ソルビン酸カリウム
・亜硝酸ナトリウム
・合成着色料

これらが使われているドッグフードはNGです。ペットフード安全法では問題ないとしているものばかりですが、実際には発がん性があるものや、安全性が疑わしいとして、人間も使用を控えたほうがいいとされている添加物です。

人工添加物不使用、もしくは無添加と記載されているドッグフードを選ぶようにしましょう。ただちに健康被害が出るというものではありませんが、摂取の積み重ねが将来的な健康トラブルに繋がることもありますので、人工添加物が使われたドッグフードは選択肢から省いておきましょう。

ドッグフードは安全であることを確認して購入しよう

ドッグフードは国が安全を管理している。そう思いたいところですが、現実は安全へのハードルがとても低く設定されています。もちろん、法律が制定される前よりは環境が整っていますので、最低限の安全性は守られています。

ただ、それが本当に愛犬の健康につながるかというと、そうとは言い切れません。ここでご紹介した安全なドッグフードの基準を満たす商品を選ぼうとすると、選択肢がほとんどないことに気づくかもしれません。少なくともスーパーやホームセンターなどで格安販売されているドッグフードは、すべて「安全ではない」ドッグフードに分類されます。

日本はまだまだペット後進国で、ドッグフードどころかワンちゃん自身ですら「モノ」扱いされています。このような状況において愛犬の健康を守るには、飼い主さんが正しい知識を身につけて賢くなることが求められます。

まずはドッグフードを選ぶときにパッケージの原材料を確認するように習慣づけてください。最初はすぐに判断できないかもしれませんが、何度も繰り返していると、原材料だけで安全かどうかが分かるようになります。

ただ、どうしても自分で選ぶのが難しいという人は、プレミアムドッグフードを選ぶという方法でも構いません。価格は高めですが、ほとんどの商品が上記の安全基準を満たしています。あれこれ学ぶ時間もないという飼い主さんは、上手にプレミアムドッグフードを活用してください。