お魚系ドッグフードのメリット・デメリット。お肉系とどっちが良い?

愛犬が肥満気味になったときに、病院で「魚系のドッグフードがいいですよ」と勧められたことありませんか?ドッグフードを選ぶときに、あまり原材料にこだわっていない人は、魚を使ったドッグフードがあるなんて知らなかったという人もいるようですが、意識して探すと思ったよりもたくさんの、お魚系ドッグフードが見つかります。

でも「なんで肥満にお魚系ドッグフードがいいの?」「他にも何かメリットがあるの?」「実はデメリットもあるのでは?」そんな疑問が湧いてきますよね。替えてみたものの、あまり効果が得られないというのでは意味ないですよね。

ここではそんな疑問を解決していきながら、お魚系ドッグフードの魅力と、ワンちゃんに与えるときの注意点をご紹介します。栄養学に詳しくない人でも、簡単に理解できるように、分かりやすく説明しますので、最後までしっかり読んでくださいね。

お魚系ドッグフードのメリット

それではまず、お魚系ドッグフードのメリットについてご紹介します。お魚系ドッグフードにはいくつもメリットがありますが、その代表的なものが下記の4点です。

・高タンパク質低カロリーで太りにくい
・アレルギー反応が出にくい
・皮膚の健康を維持できるオメガ3脂肪酸が含まれている
・タウリンやカルシウムが豊富に含まれている

簡単にまとめると、「栄養バランスがよく体にいい」ということになりますが、なぜそうなるのかについて詳しく見ていきましょう。

高タンパク質・低カロリーで太りにくい

魚にもいろいろ種類がありますが、基本的には高タンパク質でありながら、脂質が少ないことからカロリーが低いという特徴があります。

スケトウダラ100g
カロリー:79kcal
タンパク質:28.96g
脂質:0.32g

サーモン100g
カロリー:237kcal
タンパク質:20.1g
脂質:16.1g

牛肉(輸入牛肉ばら)100g
カロリー:371kcal
タンパク質:14.4g
脂質:32.9g

鶏肉100g
カロリー:200kcal
タンパク質:16.2g
脂質:14g

サーモンは脂肪が多い魚ですが、それでもヘルシーなお肉の代表でもある鶏肉とカロリー値はそれほど変わりません。白身魚のスケトウダラの場合は、100gでなんと79kcalしかありません。それでいてタンパク質が約29gも含まれていますので、かなりの高タンパク質であることが分かります。

これだけカロリーが低ければ、お腹いっぱい食べても太ることはまずありません。スケトウダラがベースの場合は、むしろカロリー不足を気にしなくてはいけないくらい低カロリーですので、体重が気になっているワンちゃんに最適です。

アレルギー反応が出にくい

犬のアレルギーの原因はいくつもありますが、そのうちのひとつが「同じ食べ物を与えすぎた」ことによって起きます。このため、ドッグフードによく使われている牛肉や小麦、トウモロコシはアレルギーを引き起こしやすい原材料とされています。

一方でお魚系ドッグフードの場合は、ドッグフードの原材料として主流ではありませんので、アレルギー反応が出にくいという特徴があります。もちろんお魚系ドッグフードも与え続けるとアレルゲンになる可能性もありますが、一般的にはアレルギー反応が出にくいというメリットがあります。

皮膚の健康を維持できるオメガ3脂肪酸が含まれている

ワンちゃんの皮膚トラブルにもお魚系ドッグフードが適しているのですが、その理由として挙げられるのがオメガ3脂肪酸の存在です。魚にはDHAやEPAといったオメガ3脂肪酸が多く含まれており、EPAは炎症を抑える効果があるため、皮膚炎などのトラブル解消が期待できます。

最近は多くの飼い主さんが、ワンちゃんの皮膚トラブルに悩まされていますが、お魚系ドッグフードに切り替えたことで、症状に改善が見られるケースもあります。症状が改善した理由として、オメガ3脂肪酸以外の要因も考えられますが、少なくともこのような栄養成分が含まれているということは覚えておきましょう。

タウリンやカルシウムが豊富に含まれている

魚に多く含まれているのはオメガ3脂肪酸だけではありません。タウリンやカルシウムも豊富に含まれていて、ワンちゃんの健康維持に役立っています。タウリンは血液の流れを改善するため、心臓疾患や血液の病気を予防できます。カルシウムは強い骨を作るためには必須の栄養成分です。

いずれも不足すると深刻な病気を引き起こす可能性のある栄養成分です。お魚系ドッグフードに切り替えれば、この2つの栄養成分が不足することはなく、老犬になっても元気に散歩できる強い体を作るのに役立ちます。

お魚系ドッグフードのデメリット

次にお魚系ドッグフードのデメリットも見ていきましょう。たくさんのメリットがあるのは分かってもらえましたが、お魚系が主流にならないのにはもちろんデメリットがあるためです。代表的なデメリットは下記の3点です。

・腹持ちが悪い
・食いつきが悪くなる
・手作りする場合には寄生虫と骨に注意する必要がある

こちらも、これだけでは分かりづらいかと思いますので、それぞれのデメリットをもう少し詳しく説明していきます。

腹持ちが悪い

お魚系ドッグフードに切り替えると、ワンちゃんが次の食事まで待てずに「ご飯ちょうだい」と求められることがあります。これは脂の少ない白身魚をベースに作られたドッグフードを与えたときによく起きる現象です。脂質が少ないと消化しやすいため、お腹に残らず空腹感を覚えてしまうというわけです。

このため、同じお魚系ドッグフードでも、脂質が多く含まれているサーモンベースのドッグフードであれば、腹持ちの心配はいりません。同じ魚でも種類によって腹持ちが変わってくるということを覚えておきましょう。

食いつきが悪くなる

お魚系ドッグフードに切り替えて飼い主さんが最も困るのは、食いつきが悪くなることです。そもそもワンちゃんは、ドッグフードを切り替えると、最初は食いつきが落ちやすいという特徴がありますので、それほど気にする必要はないのですが、いつまで経っても喜んで食べてくれないというケースもあります。

これは嗜好の問題でもありますので、何をしても食べないようであれば、お魚系ドッグフードの使用を諦めることも考えなくてはいけません。ワンちゃんと飼い主さんとの我慢比べになってしまいますが、ワンちゃんに無理させてまでお魚系ドッグフードを与えなくてはいけない理由はありません。飼い主さんが臨機応変に対応してください。

手作りする場合には寄生虫と骨に注意する必要がある

市販品のドッグフードを購入する場合には気にする必要はありませんが、手作りドッグフードを魚ベースで作るときには、寄生虫に気をつける必要があります。しっかり焼いて、生で与えないようにすれば心配はいりませんが、これとは別に食中毒のリスクもあります。与える魚は新鮮なものを選ぶようにしてください。

また、犬は骨も気にせずに飲み込みます。その結果、口の中やノドを骨で傷つけてしまうことがあります。魚ベースの手作りドッグフードを与えるときには、きちんと骨を取り除くか、ミキサーなどで砕いたうえで与えるようにしましょう。

お魚系とお肉系はどちらがおすすめ?

ここまでの説明で、お魚系ドッグフードのメリットとデメリットを理解してもらえたかと思います。ただ、お魚系とお肉系のどちらが優れているのかは分からないですよね。ここでは、お魚系とお肉系のどちらがおすすめなのかについてご紹介します。

ワンちゃんによっておすすめのドッグフードは違う

結論から言えば、お魚系とお肉系のどちらが適しているかはワンちゃんによって違います。例えば大型犬の場合には、かなりのカロリーが必要になりますが、これをお魚系のドッグフードで与えようとすると、牛肉ベースのドッグフードの何倍もの量を与えなくてはいけなくなります。そうなるとドッグフード代が家計を圧迫しますよね。

皮膚トラブルもなく、アレルギー反応もないようでしたら、選択肢が多く価格も安いお肉系ドッグフードのほうがおすすめです。そうではなく、体に何らかのトラブルがあり、その原因がドッグフードにあると考えられる場合には、お魚系への切り替えがおすすめです。

とはいえ、いくらお魚系ドッグフードのほうが健康的だとしても、食べてくれなければ意味がありません。この場合はやはりお肉系で問題のない食材を探すしかありません。このように、ケースバイケースでどちらのドッグフードが適しているのかは違うということを頭に入れておいてください。

お魚系ドッグフードはアレルギーにならない?

お魚系ドッグフードはアレルギー対策に適していると言われていますが、ペットのアレルギーを経験したことのある飼い主さんは「本当に大丈夫?」と不安になりますよね。残念ながら、魚でもアレルギーになることがあります。

肉も魚もタンパク質であることには変わりありませんので、魚のドッグフードを与え続けると、その魚に対してアレルギー反応を示すことがあります。ただ、アレルギーになる確率が低いという点では優れたドッグフードではあります。

牛肉や小麦、トウモロコシなどをずっと与えられてきたワンちゃんは、それらをアレルゲンとしてしまう可能性が高く、その場合にはお魚系ドッグフードはとても効果的です。だからといって、お魚系ドッグフードばかり与えていると、アレルギーになる可能性が上がってしまいます。

アレルギーが不安だという場合には、お魚系ドッグフードでも魚の種類が違うドッグフードをローテーションするなどして、単一の食材ばかり食べさせないように注意してください。また、お魚系ドッグフードでも、トウモロコシや小麦を使っているとアレルギーの症状が出ることがありますので、きちんと原材料をチェックして選びましょう。

お魚系ドッグフードが向いているワンちゃんのタイプ

お魚系とお肉系、どちらが適しているのかはワンちゃんによって違うとお伝えしましたが、一般的な考え方として、どのようなワンちゃんにお魚系ドッグフードが適しているのか説明しておきます。

・お肉がアレルゲンになっている
・肥満気味でダイエットが必要
・皮膚トラブルを抱えている

このいずれかの条件に該当する場合には、積極的にお魚系ドッグフードを使っていきましょう。魚でもアレルゲンになるとお伝えしましたが、すでに牛肉やチキンなどのタンパク源がアレルゲンになってしまったワンちゃんは、魚をメインにするのがお手軽でおすすめです。

また、低カロリーですのでたくさん食べても太りにくいという点で、肥満犬のダイエットに適しています。ただし、お魚系であってもカロリーの値は様々です。低カロリーになりやすいというだけで、実際には高カロリーの商品もありますので、きちんと栄養成分を確認してください。

お魚系ドッグフードにはオメガ3脂肪酸が含まれていますので、皮膚トラブルの改善が期待できるというのもすでにお伝えしました通りです。このため、皮膚の改善や被毛の美しさを取り戻したいというワンちゃんにもお魚系ドッグフードは適しています。

また、これらの条件だけでなく、しっかりと食べきってくれるということも大切です。お魚系にすると残してしまうというのでは継続して与えることはできませんよね。好んで食べてくれない場合には、いくら効果があってもおすすめはできません。1ヶ月くらい与え続けて、それでも食いつきが悪いままなら、元のドッグフードに戻しましょう。

お魚系ドッグフードを選ぶときの注意点

ここまで読んでもらえれば、お魚系ドッグフードについてかなり詳しくなっているはずです。その知識だけでも十分ですが、最後にお魚系ドッグフードを選ぶときの4つの注意点をご紹介します。安心安全のドッグフードを与えるためにも、しっかりと頭に入れておきましょう。

何の魚なのか表記されていること

まず重要なのが、「原材料が魚になっていれば、なんでもいいというわけではない」ということです。安く売られているドッグフードの場合、原材料に「魚介類」という記載があります。フィッシュミールとなっていることもありますが、単純に考えると魚を使っているように思えますよね。でもこれでは、何の魚なのか分かりません。

それどころか、そもそも魚の身をどれくらい使っているのかも分かりません。魚介類という表示だけですと、人間が食べるための切り身を取った残りの骨と皮、内臓だけでも魚介類に該当します。これではとても、しっかりとタンパク質を摂れませんよね。

「サーモン」「タラ」のようにきちんと何の魚なのか分かっているドッグフードを選びましょう。魚介類と記載があった場合には、メーカーのホームページやパッケージで使っている魚の種類を紹介しているドッグフードがおすすめです。

ヒューマングレードの原材料を使っていること

上記のポイントとも少し重なりますが、安心安全のドッグフードを選びたいのであれば、ヒューマングレードの原材料にこだわったドッグフードを選びましょう。残念なことに人間が口にできない原材料で作られたドッグフードがいくつもあります。

そのようなドッグフードでは愛犬の健康を守ることはできません。形はドッグフードの状態になっていますので、実際に人間が食べられるかどうかは別として、少なくとも原材料の鮮度と安全性にこだわっているドッグフードを選びましょう。

できるだけグレインフリーであることが理想

ドッグフードの主原料を魚にすると、カロリーが不足しやすく、原価も高くなってしまうため、多くのドッグフードでは、小麦や大豆、お米といった穀物を合わせてドッグフードの原材料に使っています。これらは適量であれば問題ありませんが、ワンちゃんにしてみれば消化するのが苦手な食材ですので、内臓に負担がかかってしまいます。

絶対に避けてほしいのは「主原料が穀物」になっているドッグフードです。これはアレルギーになってしまうリスクもありますし、栄養バランスもよくありません。タンパク質も多くが植物性タンパク質ですので、ワンちゃんには好ましくありません。

ワンちゃんの健康を考えたときの理想は、グレインフリーの商品です。ドッグフードの値段が高くなってしまうというデメリットもありますが、健康な状態を維持したいならグレインフリーもしくはそれに近いドッグフードを選んでください。

人工添加物が含まれていないこと

ヒューマングレードとグレインフリーが安全なドッグフードの基本ですが、これに合わせて人工添加物を使っていないということも重視してください。ドッグフードの人工添加物には、人間の食べ物には使用が禁止されているものが含まれていることがあります。

もちろん国が定めた許容範囲内での使用になっていますが、安全性を考えたときに、わざわざ発がん性のある添加物を口にさせる必要はありませんよね。原材料をチェックして、天然素材でない酸化防止剤や着色料などを使っている場合には、そのドッグフードは避けておきましょう。

メリットだけでなくデメリットも理解して活用しよう

お魚系ドッグフードはアレルギーになりにくく、皮膚トラブルの解消が期待できるなど、健康面を考えたときには、とても優れたドッグフードです。ただし、ワンちゃんによっては、食欲が落ちてしまうというデメリットもあります。腹持ちが悪いので、すぐに「お腹空いた」となることも考えられます。

大事なのは、そのようなデメリットをしっかり把握しておくことです。いくら獣医さんにお勧めされたからといって、愛犬に合わないドッグフードを与え続けるのは好ましくありません。あまり好んで食べてくれない場合には、別のお魚系ドッグフードに切り替えるなどして、喜んでくれるドッグフードを見つけてあげましょう。

また、お魚系ドッグフードは健康的な商品ですが、使っている魚の種類が分からないものや、穀物が多く使われているもの、人工添加物を使用しているものは選ばないようにしましょう。いくら魚が優れていても、それらによって健康面では大きくマイナスになってしまいます。

単純に魚ベースのドッグフードを与えればいいというわけではなく、きちんと優れたドッグフードを選定する必要があります。お魚系ドッグフードを選ぶときには、じっくり時間をかけて安心安全の商品を購入しましょう。