低カロリー高タンパク質!馬肉ドッグフードのメリット・デメリット

アスリートやモデルさんが体を作るために、意識的に馬肉を食べているという話を聞いたことありませんか?競走馬のフォルムからも分かりますように、馬はとても体脂肪率が低い動物です。サラブレッドは少し特殊ですが、体脂肪率が7〜8%くらいしかありません。

とても脂肪が少なくタンパク質が豊富な馬肉ですが、最近ではドッグフードにも使われることが増えてきました。ワンちゃんがアスリートやモデルを目指すわけではないのに、なぜ馬肉ドッグフードを与えるのでしょう?それにはきちんとした理由があります。

ここでは馬肉ドッグフードを与えるメリットとデメリットをご紹介しながら、上手に活用するためのポイントを説明しています。馬肉ドッグフードが気になるという飼い主さんは、ぜひ参考にしてください。

馬肉はとてもヘルシーなお肉

栄養学に少し詳しい人や、ダイエット経験者なら「馬肉=低カロリー高タンパク質」というイメージを持っていますよね。でも、実際に100gあたりのカロリーやタンパク質の値を、しっかりと把握できている人は少ないかと思います。ここではまず、馬肉の栄養成分について見ていきましょう。

馬肉と他の原材料との比較

馬肉(赤肉)100gあたりの栄養成分
カロリー:110kcal
タンパク質:20.1g
脂質:2.5g
炭水化物:0.3g

牛肉(交雑牛肉もも)100gあたりの栄養成分
カロリー:248kcal
タンパク質:19.3g
脂質:17.5g
炭水化物:0.5g

鶏肉(若鶏肉・むね・皮なし)100gあたりの栄養成分
カロリー:116kcal
タンパク質:23.3g
脂質:1.9g
炭水化物:0.1g

牛肉と比べるとカロリーも脂質も低く、タンパク質も豊富です。カロリーと3大栄養素だけで見れば、鶏肉とほとんど変わりませんが、ドッグフードに加工するとき、鶏肉には高カロリーの皮がついていることを考えると、馬肉は圧倒的に低カロリーであることが分かります。

とはいえ鶏皮さえ使わなければ、入手性のいい鶏肉のほうが安くて低カロリーなドッグフードを作れそうです。そう考えると、あえて価格の高い馬肉を選ぶ必要性はなさそうですが、実はカロリーや3大栄養素以外の部分で馬肉にはとても優れた点があります。

どのような部分が優れているのか次項で詳しくご紹介していきます。

馬肉は鉄分とカルシウムが豊富

犬にとって重要な栄養成分である鉄分。そして強い体を作るために必須ともいえるカルシウム。馬肉にはこの2つの栄養成分が他のお肉よりも多く含まれています。

鉄分
馬肉:4.3mg
牛肉:0.3mg
鶏肉:0.3mg

カルシウム
馬肉:11.0mg
牛肉:4.0mg
鶏肉:4.0mg

成犬が1日に必要とする鉄分は体重1kgあたり1.32〜1.4mgです。牛肉や鶏肉ではとてもこの鉄分を補うことができませんよね。総合栄養食のドッグフードを与えていれば、鉄分不足になることはほとんどありませんが、貧血気味のワンちゃんなどには、鉄分の多い馬肉はとても魅力的な食材のひとつです。

また、カルシウムも牛肉や鶏肉の倍以上あります。カルシウムが骨になるのは人間もワンちゃんも同じです。もちろん与え過ぎはNGですが、出産直後の母犬はカルシウム欠乏になりやすく、そういうときに馬肉のドッグフードはとてもおすすめです。

グリコーゲンが豊富で疲労回復効果が期待できる

アスリートが馬肉を積極的に食べる最大の理由、それが豊富なグリコーゲンにあります。グリコーゲンは疲労回復効果があるエネルギー源ですが、他のお肉よりも馬肉のほうが、このグリコーゲンを多く含んでいます。

グリコーゲン
馬肉:2290mg
牛肉:674mg
鶏肉:98.2mg

この値を見てもらえば、なぜ安価な鶏肉を選ばずに、馬肉を選ぶのか分かってもらえるかと思います。疲労回復・滋養強壮にも効果のあるグリコーゲンですので、少し元気がなくなってきたシニア犬の、活力を取り戻すことができる。馬肉にはそんな栄養成分も含まれています。

馬肉ドッグフードのメリット・デメリット

馬肉の栄養成分がいかに優れているかを理解してもらったところで、その結果を踏まえたうえで、馬肉ドッグフードを与えるメリットとデメリットについて見ていきましょう。メリットはすでに少しは伝わっているかと思いますが、デメリットももちろんありますので、しっかり頭に入れておきましょう。

メリット

・低カロリーでダイエットに適してる
・貧血対策に効果的
・シニア犬や病気になった犬の元気を取り戻す
・嗜好性が高い

メリットは馬肉の栄養成分ですでに説明したものと重なりますが、ドッグフードとしての最大の魅力はやはり低カロリーに抑えられることです。牛肉ベースのドッグフードと比べると、半分のカロリーにできますので、肥満犬や運動量の減ったシニア犬に最適です。

鉄分の多さは貧血予防になりますし、グリコーゲンも多く含まれていますので、こちらもシニア犬に最適です。しかもグリコーゲンは甘みがあるため、ドッグフードの嗜好性が高くなるというメリットもあります。食いつきがいいドッグフードが多く、切り替えしやすいのは飼い主さんにとって大きなメリットですよね。

デメリット

・入手性が悪く価格が高い
・成長期には不向き
・尿路結石のリスクがある

馬肉ドッグフードはとてもメリットの多いドッグフードですが、主流にならないのは入手性が良くないためです。スーパーやホームセンターで馬肉ドッグフードを探しても、ほとんどのお店で置いていません。しかも値段が高いため、継続して使い続けるのが難しいという問題もあります。

また、肥満犬やシニア犬には適していますが、特に太っているわけではないワンちゃんや、成長期のワンちゃんにはカロリー不足になってしまいます。カルシウムが多いというのも、健康なワンちゃんにしてみるとカルシウム過多で尿路結石のリスクもあります。

馬肉ドッグフードをおすすめしたいワンちゃん

馬肉はヘルシーですので、「肥満犬」と「シニア犬」に適しているということはすでに理解してもらえたかと思います。さらにもうひとつ、おすすめしたいワンちゃんがいます。どのようなワンちゃんに適しているのか見ていきましょう。

牛肉にアレルギーがあるワンちゃんにもおすすめ

馬肉ドッグフードは、牛肉にアレルギーのあるワンちゃんにもおすすめです。アレルギーは単一原料を食べ続けることによって引き起こされることが多く、牛肉はドッグフードで使われることが多いことから、どうしてもアレルギーになりやすいという特徴があります。

ところが馬肉はドッグフードの材料として、それほど多くは使われていません。これまでほとんど口にしていない馬肉ですので、後天的なアレルギーになる可能性はかなり低く、安心して与えることができます。ただし、馬肉も食べすぎるとアレルギーになりますので気をつけてください。

高カロリーの馬肉ドッグフードに注意する

馬肉ドッグフードはヘルシーだというイメージが強くなってきたかと思いますが、ひとつだけ注意するポイントがあります。それが、馬肉ドッグフードの種類によっては高カロリーの商品もあるということです。

ダイエット目的で購入したのに、食べさせてもまったく痩せなくてパッケージを確認したら、これまでのドッグフードとカロリーが変わらなかったなんてことがあります。ダイエット目的で購入する場合には、必ずカロリーの値を確認して選ぶようにしてください。

安全な馬肉ドッグフードの選び方

ヘルシーで栄養価の高い馬肉ドッグフードですが、馬肉を使っているからといって、必ずしもワンちゃんの健康に役立つドッグフードとは限りません。商品によっては品質がそれほど高くないものもあります。そのような商品を選ばないようにするために、ここでは安全な馬肉ドッグフードの選び方をご紹介します。

馬肉以外のお肉を使っていないものを選ぶ

馬肉ドッグフードを選ぶ理由は、ダイエットもしくはアレルギー対策ですよね。ところが馬肉ドッグフードとなっていても、魚や他のお肉も併用されている商品もあり、必ずしもアレルギー対策に使えるわけでありません。

もし、アレルギー対策で馬肉を選ぶのであれば、原材料に他のお肉が入っていない商品を購入してください。わざわざ価格の高いドッグフードを買ったのに、結局アレルギー反応が出たというのでは意味がありませんよね。馬肉だから安全だと決めつけず、きちんと原材料を確認しておきましょう。

グレインフリーもしくはグルテンフリー

せっかく体にいい馬肉を選ぶのですから、合わせてグレインフリーで穀物を使っていないドッグフードを選びましょう。グレインフリーは最近のプレミアムドッグフードのトレンドで、犬は本来肉食で、消化が苦手な穀物を与える必要はないという考え方がベースにあります。

この考え方には賛否がありますが、穀物を消化するのが苦手というのは事実です。そういう意味では、グレインフリーのドッグフードというのが理想です。ただし、グレインフリーのドッグフードは高価な物が多いため、金額的に使いづらいという場合は、小麦粉を使っていないグルテンフリーのドッグフードがおすすめです。

グルテンはアレルギーを引き起こしますので、ワンちゃんには絶対に与えたくない成分のひとつです。少なくとも小麦粉を使っていない馬肉ドッグフードを選んでください。

化学添加物が入っていないものを選ぶ

ドッグフードの質に大きく影響するのが酸化防止剤や着色料などの化学添加物です。これらのすべてが悪いというわけではありませんが、ドッグフードには人間の食べ物には使ってはいけない添加物もあたり前のように使われています。

発がん性のあるものや、体調を崩す可能性のあるものも多く、安全を考えたときには危険な添加物が入っていないドッグフードを選ぶ必要があります。ドッグフードのパッケージを見たときに、下記のような添加物が入っていないか、確認してください。

・エトキシキン
・BHA
・BHT
・赤色◯◯号
・青色◯◯号
・亜硝酸ナトリウム
・ソルビン酸カリウム

この他にも、よく分からないものが含まれていて、調べても安全性を判断できないものは避けるようにしましょう。せっかく体にいい馬肉を与えているのに、危険な添加物が入っていたのでは安心して与えられませんよね。栄養成分と合わせて原材料は必ず確認してください。

目的を明確にして馬肉ドッグフードを選ぼう

馬肉ドッグフードはアレルギーのワンちゃんにも使うことができ、ダイエット効果も高いというとても優れたドッグフードですが、やはり気になるのは価格が高いことと、入手性が悪いということですよね。上質なものにこだわると選択肢がかなり減ってしまいますし、価格もかなり高くなります。

このため、馬肉ドッグフードを選ぶときには、目的を明確にすることが大切です。ダイエット目的なのか、それともアレルギー対策なのかで選ぶ商品が変わってきます。

ダイエット目的であれば、他のお肉が入っていても問題ありませんし、穀物も多少なら使われていても構いません。ただし、きちんと低カロリーで低脂質になっていることを確認する必要があります。もちろんタンパク質の割合が高いことも重要です。

反対にアレルギー対策であれば、お肉は馬肉だけを使ったもので、なおかつグレインフリーであることが理想です。ただし、この場合はカロリーが高くなっていても気にする必要はありません。とにかく安全な材料で作られていることを重視しましょう。

このように、目的に合わせてドッグフードを選べば、必要以上に高価な馬肉ドッグフードを購入せずに済みます。大事なのは継続していくことですので、このように目的を明確にして、無駄な出費を抑えたドッグフード選びを行いましょう。