ドッグフード売り場に行くと、一見似たように見えるドッグフードの値段の差にびっくりするかもしれません。

一体なにが違うのでしょうか?

まずドッグフードは、普及品の「レギュラーフード」と、上級品の「レミアムフード」に大別されます。プレミアムフードとはAAFCO(Association of American Feed Control Official 米国飼料検査官協会)の栄養基準をクリアしたものを指すことが多いのですが、厳密に定義されてはいません。

プレミアムフードは、品質を重視しているタイプのドッグフード全体をおおざっぱに分類していると思ったほうがいいでしょう。

少し前まで、国内の低価格ドッグフードの成分は「しょせん家畜のエサ」という認識ゆえか、海外のドッグフードに劣っていました。特にヨーロッパでは、古くから犬の品種改良が盛んになされ、栄養管理の研究もされていたのでしょう。高価ながらもドッグフードの品質は、輸入製品のほうがすぐれていました。

しかしそのような状況を打破すべ< 、近年では普及クラスの製品であっても、動物栄養学にもとづいた、きちんとした成分椛成になってきました。原材料の表示や栄養素割合を比べてみても、あまり差を感じないように思います。

安いドッグフードにはかならずワケがある

では、ドッグフードはどれを選んでも変わりはないのでしょうか?それは違います。人の食べ物でも見えないところで差があるように、ドッグフードにも差はあります。

ドッグフードメーカ-は材料の原価をなるべく抑えたいため、小麦粉、肉、トウモロコシ、油脂などを、安価に輸入して使用しています。人用としては不適格なものを使用することが多く、なかには相当に粗悪な原料を使う場合もあります。

たとえば「4Dミート」という人用不可の最低ランクの肉や、廃棄場で廃棄されるはずの肉副産物( 骨、内臓、便が入ったままの腸など) も、表記上は肉扱いとなります。

品質に問題があって本来は廃棄しなくてはいけないような原料も、ブローカーによって安く買い取られて供給されたりします。これら原材料の安全性や信頼性は、プレミアムフードだからといって盲信できるものではありません。

とはいえ、ブランドイメージを背負って販売される高価な商品では比較的、粗悪な原料を使っている可能性が低いのではないかと想像できます。もちろんあやしげな材料を使用しているドッグフードメーカーが、みずから明かすわけがありません。明確に「人が食べられる品質の肉」を使用していると宣言している場合を除き、程度の差はあれど、あまり上等の素材は使用していないと思ったほうがよいでしょう。

人の食品と違って、ドッグフードは法律の規制がゆるく、各種の添加物は事実場、野放しになっています。あまりにひどいものは苦情が寄せられるなどして改善されているはずですが、悪影響がはっきり確認できない製品はそのままです。

抗生物質や農薬、保存料、発色剤、香料など、発がん性や内臓に客を与える毒性をもつ材料の使用などが疑われるものや、アレルギーのもとになるアレルケン物質がふつうに使われているケースも見られます。

プレミアムフードの一部には、このような添加物を使用していないことをウリにしているものもあるので、食べ物に反応して体調を崩している疑いがある犬は、ドッグフードを変更してみてもいいでしょう。

ただし、犬が好まない、下痢しやすいなどの不安定さを押し切ってまで、「飼い主が考える最高のドッグフード」を押しつける必要はありません。

余裕がある飼い主は自分で作るのも手

よく、「100%安全なおすすめドッグフードはないのか?」とよく聞かれます。

しかし残念ながら、そういうドッグフードはありません。人の外食産業や加工食品でも、毒物混入や食中毒、表記偽造が横行しています。2007年には中国から米国へ出荷された植物原料に、有毒な窒素化合物や殺虫剤が混入していました。困ったことにこれは、下請け飼料メーカーに納入されたあと、一流メーカー各社に卸されたのです。

結果、皮肉にもプレミアムフードを食べさせていたはずの犬・ネコが数千頭も死亡するという大惨事になりました。

日本へ輸出されていた製品も該当し、リコールが大量にかかりましたので、覚えている方も多いと思います。

大規模な訴訟が起きているはずですが、日本ではほとんど報道されていません。絶対に安全といえるドッグフードを食べさせたい人は、手づくりドッグフードにするしかないでしょう。

しかしこのような事例を除き、プレミアムフードはレギュラーフードを品質面で上回ります。値段だけの価値があると思うかどうかは人それぞれですが、少しでも安全ですぐれたドッグフードを、と考えるなら、プレミアムフードの中から選んだほうがよいでしょう。

見かけにだまされないで

デイスカウントストアやペットショップには、さまざまなドッグフードが並んでいます。かわいい写真や華やかな見かけに惑わされないようにチェックしましょう。