犬の血統書の意味

日本で血統書を発行している社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)によると、

血統書は「血統登録された同一犬種の父母によって生まれた子犬に対して発行されるもので、人間に例えると「戸籍」のようなものにあたります。
純粋犬種はこの血統証明書によって、本犬、両親から祖先まですべて同一の犬種であるということが証明されなければなりません。」

そして血統書には下記の8つの事柄が記載されています。

1) 犬名:正式名称と犬舎名。そして呼名(通常の名前)
2) 犬のデータ:犬種名、登録番号、性別、生年月日、毛色、DNA登録番号、ID番号、股関節評価、肘関節評価
3) 父親の血統図
4) 母親の血統図
5) 登録日、出産頭数、一胎子登録番号
6) チャンピオン歴
7) 発行日
8) 4代祖血統証明書発行申込書
※詳しくは、JKCホームページを参照して下さい。

そして、2) 3) 4) 6)の項目が良いほど血統が良いとされ、その犬もしくは子孫が高い値段で取引されています。

ケーナイン・ビヘイビアリストにとって、血統書はその犬を知る重要な鍵になることは間違いありません。しかし、それは犬種特性を把握する意味が強く、血統が良いからと言って決して良い行動だけが伴うことはありません。また、コンサルテーションで出会う犬たちは、その時点で何らかの問題があり(特に人間が感じる迷惑行動)、その行動を変更しなければいけない状態にあります。そして、その行動の多くは学習されたものであり、きちんとした対応ができれば、修正または変更することが可能なのです。

しかし通常、その前にはもっと重要な確認が残っています。それは、問題となっている行動が、健康不振または疾患に由来するものではないかの確認です。これは健康診断の結果が必要と言うことですが、その中には血液検査も含まれます。

人間でもそうですが、血液を検査することで身体の健康状態の把握が出来ます。そして疾患があれば、数値の変化によっては原因となる臓器やその理由も分かる場合もあります。また疾患まで進行していなくても、異常な数字があればそれが問題行動の原因になっていることもあります。ということは、問題行動の視点から診れば、「血統書」よりも「血」を診た方が有効な情報が多く含まれている可能性があるわけです。また何より、現在発生している行動や日常の行動パターン、生活パターンを知ることが第一であり、それは血統書を見ても分かりません。

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血統書は、人間が行ってきた「選抜育種」の証明書です。そして、人間が発行しているひとつの表現物です。そこには、一緒に暮らしてきた時間や毎日お散歩する幸せ、小さい頃にスリッパを木っ端みじんにした思い出も書かれていません。

その後、登録取消しとなった犬たちがどうなったかは書かれておりませんが、血統書が無くなってしまっても、犬たちは全く変わりません。もし変化があるとしたら、それは人間の見方・接し方が変わっているのだと思います。

大切なことは血統書の優劣よりも、どれだけ一緒に「笑顔」で過ごせているかです。その「笑顔」が多ければ多いほど、これからもいっぱいの幸せが訪れます。そして、どんどん大切な家族である犬たちを愛し、より「笑顔」が増えるよう試行錯誤してみて下さい!きっと、かけがえのない経験をさせてくれると思います!