ドッグフードの小麦・大麦・オートミールの違いって何?

ドッグフードによく使われる原材料に「小麦・大麦・オートミール」があります。これらはよく似ていますので、同じようなものだと思われがちですが、実は安全性がまったく違いますので、それぞれの特徴を把握して使い分ける必要があります。

それでは、小麦・大麦・オートミールにどんな違いがあって、何を注意すればいいのでしょう?ここではこの3つの原材料の栄養成分と、ドッグフードに含まれていたときに気をつけるポイントをご紹介します。

小麦・大麦・オートミールの栄養成分と特徴

それではまず、小麦・大麦・オートミールについて、その栄養成分や特徴を詳しく見ていきましょう。

小麦の栄養成分

小麦(全粒粉)の栄養成分(100gあたり)
エネルギー:328kcal
タンパク質:12.8g
脂質:2.9g
炭水化物:68.2g
食物繊維:11.2g

小麦は世界各国で作られている穀物で、パンや麺、お菓子などに使われることの多い原料です。世界で最も生産量が多い穀物で入手性がとてもよく、しかも価格も安くて栄養価も高いため、様々な食品に使われています。

炭水化物が多く含まれているのはよく知られていますが、タンパク質も多く含まれていることはあまり知られていません。100g中12.8%がタンパク質ですので、これに大豆やお肉を少し混ぜるだけで、栄養バランスだけなら総合栄養食の基準を満たします。

また、私たちがよく口にする小麦粉は製粉されていますので、ビタミンやミネラル、食物繊維などが少なめですが、ドッグフードに使われている小麦粉は、製粉せずに使われていますので、高い栄養価の原料として重宝されています。

大麦の栄養成分

大麦(押麦)の栄養成分(100gあたり)
エネルギー:340kcal
タンパク質:6.2g
脂質:1.3g
炭水化物:77.8g
食物繊維:9.6g

大麦は麦飯などに使われることの多い原料で、ミネラルなどが多く含まれていることから、歴史的にも主食となる穀物として長く使われてきました。日本では麦飯のほかに、麦茶の原料としても使われています。

小麦との違いはグルテンをほとんど含まないという点が挙げられます。このため、麺の材料には向かず、パンに使うと重たいパンに仕上がります。このように加工品としては扱いづらい原料ですが、ビールや蒸留酒に使えることが分かり、現在でも世界中で栽培されています。

オートミールの栄養成分

オートミールの栄養成分(100gあたり)
エネルギー:380kcal
タンパク質:13.7g
脂質:5.7g
炭水化物:69.1g
食物繊維:9.4g

オートミールはオーツ麦とも呼ばれ、燕麦を脱穀して調理しやすく加工したものです。人間が口にするときには粥状に調理して食べます。最近人気のグラノーラはこのオートミールに砂糖や蜂蜜などを混ぜてオーブンで焼いたもので、栄養バランスのいい食事として注目されています。

栄養成分からも分かりますように、カロリーが高くタンパク質や脂質もしっかり含まれていますので、人間だけでなくタンパク質を多く必要とするドッグフードにも、使われるケースが増えてきました。食物繊維も豊富で、ワンちゃんの腸内環境を整えてくれる効果が期待できます。

ドッグフードの原料として避けるべきは小麦

小麦・大麦・オートミールの3種類について、それぞれ理解してもらえたかと思いますが、栄養成分を見る限り、それほど大きな違いはありませんよね。多少は違いがありますが、いずれもイネ科の穀物ですので、基本的な栄養成分は似ています。

でも、この3つの原料のうち、絶対避けたいものが1つだけあります。その原料は小麦なのですが、実際にはドッグフードの原料としては、最も使われている食材でもあります。なぜ小麦の使用を避けなくてはいけないのでしょう?その理由について見ていきましょう。

品質の悪い小麦を使っている可能性がある

本来は小麦も他の穀物も安全性はそれほど変わりません。同じ品質の原材料を使えるのであれば、いずれもほぼ同等で、むしろ小麦のほうが栄養バランスには優れています。ただ、ドッグフードに使われている小麦は、とても品質が悪いものが多く、栄養がほとんどないものが使われていることもあります。

ドッグフードに使われている小麦のうち、きちんとした小麦を使っているのは一部だけで、多くの場合、人間用に製粉した残りを原料として使っています。さらには、小麦の葉っぱや茎なども使われていることがあり、これではとても安全で栄養バランスが優れているとは言えません。

もし人間が口にするのと同じ全粒粉の小麦を使っているのであれば、それは栄養面での心配はいりません。でも、格安のドッグフードに含まれている小麦は、そんな原料を使っているものも多いため、避けるべき原料として気をつける必要があります。

小麦はアレルゲンになるので避ける

小麦は栄養バランスだけならとても優れているのですが、実はそれとは別にワンちゃんには与えたくない理由があります。それがグルテンの存在で、グルテンは犬が消化しづらい成分で、それらが体内に残ると、免疫器官が働いてアレルギー反応を示したり、皮膚トラブルを引き起こしたりします。

犬のアレルギーは多くの飼い主さんの悩みですが、すべての原料の中で最もアレルゲンになりやすいのが小麦だとされています。すべてのワンちゃんがアレルギーになるわけではありませんが、食べ続ければそれだけリスクが上がります。

栄養価の高く、価格も安い小麦ですが、このように健康面での安全が守られない食材ですので、小麦粉を原料として使っているドッグフードは避けるようにしてください。

大麦とオートミールも穀物なので与える必要はない

小麦がドッグフードとしてNGなのは分かってもらえたかと思いますが、では大麦やオートミールは良いのかというと、そういうわけではありません。「栄養バランスがよく、食物繊維も多く含まれていますので、腸内環境を整えてくれる」と宣伝しているドッグフードもありますが、そもそも犬は肉食の動物ですので、穀物を食べる必要はありません。

ワンちゃんはグルテンほどではありませんが、穀物をうまく消化できないため腸内環境を悪くする要因でもあり、便秘や下痢を引き起こしてしまいます。その結果、皮膚トラブルを起こしたり、被毛に艶がなくなったりします。食物繊維が多く含まれていますので、まだ他の穀物よりはましですが、それでもあえて与える必要はありません。

このため、理想のドッグフードはグレインフリーであることという考え方が、最近の主流になってきました。プレミアムドッグフードと呼ばれる、高級なドッグフードの多くがグレインフリーで穀物を含んでいません。

ただ、グレインフリーのドッグフードは原価の高い原料を使っていますので、どうしても価格が高くなります。小型犬なら食べる量が少ないのでまだいいのですが、大型犬になると飼い主さんよりも食費がかかるケースも出てきます。

いくら体に良くても継続できなければ意味がありません。このため、ドッグフード選びとしては小麦を避けておけば、大麦やオートミールなどのリスクの低い穀物はOKとしても構いません。食べさせることで、皮膚トラブルや被毛の艶がなくなるようであれば、グレインフリーに切り替えるようにしてください。

第一原料が肉になっているドッグフードを選ぶ

グレインフリーのドッグフードが増えてきましたが、これらのドッグフードはとても高価で、誰もが継続して購入できるわけではありません。だからといって、危険で栄養価もない小麦を使ったドッグフードも与えたくないですよね。他の穀物もできるだけ避けたいところです。そのようなときのドッグフードの選び方としては、次の3点を意識してください。

・第一原料が肉になっている
・ヒューマングレードの原料を使っている
・小麦は使っていない

まず、ドッグフード原料として穀物がメインになっているものは避けましょう。鶏肉や牛肉、魚などの動物性タンパク質となる食材が第一原料になっているドッグフードであることが必須です。それも、すべての原料がヒューマングレードであることが大切です。

人間が口にできるものだけをドッグフードに使っている。これで残りカスのような原料が使われることを避けることができます。そして、アレルゲンになりやすい小麦は絶対に避けてください。この3つの条件を満たしていれば、大麦やオートミールを使っていても問題ありません。

理想はグレインフリーですが、現実的に考えて与えることが継続可能なドッグフードを選びつつ、愛犬の健康を守るようにしましょう。