犬の寿命からみたとき、人間の残り物を食べていた頃の犬の平均寿命は6歳ぐらいです。現代のドッグフードで飼育されている犬の平均寿命は14歳ぐらいですから、7歳以上も寿命が延びたことがわかります。

昔は、交通事故や、フィラリアという病気も多かったのですが、それを差し引いても、人の残飯を食べていたときより、明らかに現代のドッグフードのほうが愛犬の長寿に貢献しているように思います。

もう一つ重要なことは、ドッグフードが普及する以前は、日本の家庭で飼育されている犬は、日本犬(和犬)かその雑種が多かったということです。

残飯を餌としてあげている犬は短命だと言われる理由

日本犬は日本人と長く生活してきたため日本人の食生活にかなり適応しています。欧米犬(洋犬)に比べて、穀類が消化できるよう大腸が長いのです。洋犬は大腸が短く、肉類をたくさんとり、穀類が少ない食事に適した体をしています。

日本犬

穀類を消化しやすく大腸が長い柴犬、甲斐犬、秋田犬など

欧米犬

洋犬は、主に狩猟や牧畜といった肉が十分に食べられる環境で生活をしていました。そのため、その犬を日本の食事の残りで飼育すると栄養欠損を起こします。タンパク質が少なすぎるのです。

日本の食事の残り物で飼育されていた洋犬がとても短命だったり、虚弱だったりするという話をよく聞きますが、これが一因と思われます。

では、腸が長い日本犬は、日本食の残り物(残飯)で長生きしていたのでしょうか。実際は、洋犬ほどでないにしる短命でした。日本犬といってもいろいろな種類がいます。

柴犬、縄文柴犬、秋田犬、甲斐犬、紀州犬などなど。実は、どの犬をみても、日本でも狩り(猟)に使われていたことがわかります。クマ、イノシシ、鹿、タヌキ、キジ、カモなどです。

日本でも犬は、江戸時代からずっと狩りの獲物の肉や骨を大量にとり続けていたことがわかります。

しかし、西洋ほど狩猟は盛んではなく農繁期は農業に専念していましたので、その期間は穀物食でも体を維持できる構造に日本犬の大腸は進化したと考えられます。

日本犬は、農業がヒマな時期は狩りに行き、獲物の肉をお腹いっぱい食べられる、そういう生活だったわけです。ですから洋犬ほどではないにしても、穀物ばかりの残飯では栄養欠損が生じ、短命になると考えられます。

残飯を食べさせる場合のポイント

ドッグフードや残飯に少し工夫を加えるだけでも、長い目で見ると大きな差が出てきます。

犬種ごとの特徴を知って食事を工夫しましょう。基本は動物性タンパク質を増やすために、つまり肉や魚を与えることです。

主な犬種においての食事のポイント

プードル・トイプードル

水辺で猟師が撃ち落とした烏の回収、フランスでカモ狩りに使われていた猟犬です。肉類をたくさん食べてきた犬種なので、不調や栄養不足のときには、カモや鶏などの、烏肉を食事にプラスします。

チワワ

メキシコの暖かい土地の犬が、小型化されたのがチワワです。食事の不足に弱く、低血糖が原因でよく命を落とします。チワワはフードを一日に回数を多く与えるのを基本とします。一般家庭であれば標準よりややふくよかに保たれたほうが健康を維持しやすいと思います。

エネルギー消費量が大きいので、ドッグフードはカロリーが高めのものを選ぶとよいでしょう。また、トッピングは、脂を多く含む皮つきの鶏肉や、適度に脂肪を含んだ肉を使われることをお勧めいたします。

ササミなどの脂が少ないものより、適度に脂肪を含んだ肉をトッピングするのがポイントです。痩せすぎの子には特にそうです。まるまるした子には脂肪が少な目の肉のトッピングで。

ダックスフンド

先祖犬が狩猟犬(ジュラハウンド)なので肉(動物性タン・ハク質)を多めにします。過去の歴史をみても狩猟犬との交配が多く、大腸が短くて穀物の消化が弱いため野菜(双子葉植物)や穀物主体のフードを与えないようにします。

ラブラドール・レトリーバー

足に水かきがあるカナダの水難救助犬ニューファンドランド犬とセント・ジョンズ・ウォーター・ドッグの交配により作出された犬種です。鱈漁(タラりょう)で活躍していたため、体調不良時には鶏肉と魚を与えるとよいでしょう。

日本犬(柴犬・秋田犬・甲斐犬など)

古代犬の一つで、縄文時代から飼育されています。ヤマドリ・キジなどの烏、ウサギなど小動物の狩猟に使われた狩猟犬です。時々、鶏肉を好きなだけ食べさせます。

また日本食の影響で、魚が必要な犬種でもあります。認知症を起こす犬の半数が日本犬(ほとんど柴犬)という報告がありますが、魚に含まれる栄養で改善されることが多くあります。ここでも犬の歴史を尊重することが重要ということがわかります。

日本犬の風貌(茶の毛色や中ぐらいの大きさ)をしたミックス犬であれば、魚、鶏肉、牛肉の3種をローテーションでトッピングするのがおすすめです。
猟犬・牧羊犬か愛玩犬か、日本犬か洋犬かによって食事の注意点も変わります。

まとめ

大きなくくりとして、猟犬や牧羊犬などは動物性タンパク質を必要とする場合が多いと覚えておくとよいでしょう。愛玩犬としての伝統を長く持つ犬種は、比較的に穀物が多くても適応性が高いといえます。

また日本犬は、洋犬よりは動物性タンパク質不足に耐えられますが、時に鶏肉や魚を好きなだけ食べさせると健康維持に立ちます。